この世界は美しい。
一面の山林を見るならば近所の田舎等で簡単に遭遇できる。
それが花畑になると話が難しい。
花が自然に群生する事は稀だからだ。
ことメゼポルタ地方も例外では無い。
ギルドから新しい狩猟地「花畑」が解禁されたのは、つい先日だ。
そもそも畑とは人工物を指す。
嘗てドンドルマが古龍に襲撃され続けた時代があった様に
何処かの花産業が盛んな村が襲撃されているのかと想像したが。
古くから亜人種に栽培され続けた花畑が広大に広がる地域だった。
人間の作った物はベースキャンプ程度しか無い。
地平線まで続くなだらかな起伏の丘。
丘の影では池が地盤を沈下させたかの様な小規模の崖が随所に見られる。
ベースキャンプは洞窟と花畑が隣接する場所に設置され、
現地に到着して直ぐに双方へ赴く事が可能だ。
丘の窪みに生じた池が沈下して形成されたかの様な洞窟。
硬い地盤まで抉れたところで侵食が止まったせいか、
洞窟内の植物は足りない養分を補うべく食虫性のあるものが群生している。
花畑へ繋がる道は舗装されている。
洞窟を棲家にしている亜人種達が作ったものだろう。
薄暗い洞窟を抜ければ鮮やかな花畑が眼に映る。
一見して穏やかな場所だが、ギルドは何故此処を長らく狩猟地として解禁しなかったのか。
説明はさて置き、
まずは数ある絶景の一枚を撮影しよう。
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陽を遮る物の無い広大な丘に散在する鮮やかな花群。
雲の流れる方角から甘い香りが鼻腔を撫でる。
続きは、また今度な。